空き家問題と相続登記の義務化

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川西市で空き家問題と相続登記の義務化についてのご相談

川西市で空き家問題と相続登記の義務化についてのご相談

2024/07/31

空き家問題と相続登記の必要性

 

平成26年に空き家問題に関する法律として、空き家対策の推進に関する特別措置法(以下空き家対策特別措置法という)が制定されて10年になります。

そもそも、日本全国で倒壊の恐れのある空き家やゴミ屋敷などの危険な建物の問題が平成23年頃から言われだしたことで、解決のために特別措置法が制定されました。

 

しかしながら、空き家は増え続けており、令和6年9月時点で全国で900万戸の空き家と推測されています。

相続が発生して空き家となることで、令和6年4月までは相続登記が義務でなかったため、相続人様も登記をしないで放置をされていたことで、所有者不明物件として、行政も相続人様を探して固定資産税の請求をするしか無かったのが長年続いていたのが、問題点と言えます。

 

いずれにしましても5~10年間、空き家となりますと、家の劣化が進むことから、屋根が崩れるとか、荒廃がひどくなります。当職も何度か固定資産評価額では70万円と出ていても屋根が抜けて床も腐っている家に行ったことがあります。評価が昔のままから下げていないのを疑問に思いました。このような状態で解体をするにしても屋内の家財などを撤去して分別してから解体となりますので、最近では200万円以上の金額がかかることも一般的です。

相続人様が高額の費用を負担してまで、解体するのは難しいことも放置の原因となります。

 

そこで、令和6年1月1日改正税制で、被相続人様のみの居住用家屋で相続開始後も他に賃貸せず、相続人も居住していた事実が無い空き家の場合で                            相続開始から3年以内の属する12月31日までに1億円以下の売買代金で、建物を解体して売却するか建物ごと売却をしたときで、              売却前に相続人によって、もしくは売却後買主によって翌年2月15日までに耐震化基準の適用を満たしたリフォームがなされた場合は、           相続人一人当たり最大3000万円の特別控除を受けることができることとなりました。要件が厳しいのはありますが、適用を受けれれば、相続人様に負担が少なくなります。

これは、当該不動産の購入時の売買契約書や建築請負契約書など、購入額の証明ができない場合は、譲渡益課税(所得税)がかかることがありましたが、これの適用を受けることができれば、課税されることが大幅に減ることとなります。

この特例措置で思いますのは、相続開始から3年以内の12月末までに売却するというのが現実問題として、3回忌が終わって、すぐに売却にかかる必要があり、時間的に厳しいものと思います。

 

次に相続登記が未了ですと、仮に当該建物を解体して土地を購入したい不動産会社様がおられても、不動産登記事項証明書を取られて、所有者の方が空き家の住所のままであれば、連絡をつけれないことから、購入を断念することにもなり、空き家問題の解決がつけれません。

不動産会社様からこのような場合の解決法をご相談受けることもありますが、私道部分の共有持分を取得されている場合で、共有物分割請求のご依頼を頂ければ、相続人様の調査をして買取のご案内をお送りすることが可能です。

 

これらの対策として、すでにご存じの方が多い、令和6年4月1日から相続登記の義務化が始まりました。相続開始から3年経過していても相続登記をされない場合に、法務局から通知があり、それでも登記がされないようですと、10万円以下の過料となります。令和6年4月1日以前に相続が発生されていた場合、3年間の猶予期間が設けられており、令和9年4月1日以降に相続登記未了の通知が各相続人宛てに送られることとなっています。この通知が送られてきて、一定期間が経過しても相続登記がされないか、相続登記ができない正当な理由の申出が無い場合に、裁判所に対して過料事件の提出がなされて、相続人宛てに過料の決定がなされるというものです。

この同じ理由で令和8年4月までに住所変更登記の義務化も始まります。

 

空き家になった場合の土地の固定資産税がいつ上がりますか

 

空き家対策法で「特定空き家等」と認定された場合か「管理不全空き家」と認定されたら固定資産税、都市計画税の特例措置が廃止されます。

 

そもそも空き家対策法で特定空き家等と認定された場合に、解体など危険な状態を是正しなければ土地の固定資産税の減免が無くなり、更地と同じ固定資産税がかかります。すなわち通常の建物がある場合の約6倍になります。

これは、地方税法第349条の3の2の第1項では、住宅用地については、課税標準額を3分の1とすると定め、第2項で小規模宅地の特例の規定があります。

200平方メートル以下の小規模宅地の場合に建物が建築されていれば、固定資産税課税標準額の6分の1に減額することで、税額を低くしています。

特定空き家または管理不全空き家に認定されますと、地方税法上の特例を除外すると規定があることで、固定資産税が6倍になりますと言われています。

固定資産税と一緒に通常課税される都市計画税については、3分の1に減額しています(地方税法702条の3)。

特定空き家等もしくは管理不全空き家と認定されますと、これら減額措置が無くなります。

これらをもとに簡単な試算で計算しますと、課税標準額が1000万円の土地の場合、固定資産税及び都市計画税で33000円であったのが、17万円(固定資産税及び都市計画税合計で固定資産課税標準額の1.7%)の計算になります。実際のところは、都市計画税の軽減措置が3分の1のため、もとの金額からは5倍強ですが、大きく課税額が増えることになります。

(ちなみに、都市計画税がかからない地方の不動産の場合は、もともと固定資産税が6分の1であったことから、特例措置が無くなって、6倍となります。)

 

この「特定空き家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態又は著しく衛生上有害となる恐れのある状態、適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう(空き家対策特別措置法第2条第2項)。

市町村に倒壊のおそれがあると判断されて、特定空き家等と認定されても、期限までに解体されずに放置となった場合に土地の固定資産税の特例措置が無くなることとなっていました。

 

管理不全空き家の制定

 

特定空き家等の要件が厳しいことと、罰金もあるため、それよりも早い段階で固定資産税の特例措置を無くして、解体を促進するのが妥当であることから、「管理不全空き家」と認定されたら特例措置を無くすこととなりました。この改正法が令和5年6月7日に改正され、同年12月13日に施行されましたので、国としても空き家問題の解決のためには、早期施行が必要との判断です。

管理不全空き家とは、放置すれば特定空き家と認定されるおそれのある建物とされています。

現在、管理不全空き家とされる建物が全国で50万戸と算出されていますので、所有者、相続人の方に問題発生前に解決に動いてもらう目的です。

 

空き家を放置した場合のリスクには他にどのような例がありますか

 

①第三者が関与するリスク

②建物の老朽化

③相続人が増えることによるリスク

 

① 第三者が関与する場合として、静岡県で全くの他人が空き家に住み着いていた事例がありました。その他に、空き家の庭等に設置している発電設備等を持ち去られるですとか、ゴミ投棄や場合によっては、放火されるなど「壊れた窓理論」(アメリカのよごれた下町で重大犯罪が多発していましたが、当時のニューヨークのジュリアーニ市長が街をきれいにしたことで犯罪が激減したことから有名になりました)が当てはまる事例になってしまいます。

 

②建物の老朽化という点では、当職もご依頼のあった空き家に何度か訪問しましたが、15年も空き家ですと、雨漏りがして床が抜ける状態でした。もっとひどい事例では倒壊していたケースもありました。いわゆる古民家の場合は、藁ぶき屋根とかで風通しが良いため、築100年でも建っていますが、普通の住宅では、管理を怠ると大変な状態になってしまいます。

関東に在住の方で、実家が兵庫の方は、台風など災害がある度に、ご実家の状況を見に帰ってこられて、建築会社に修繕を依頼されていました。

 台風に比べれば少ない、地震による被害は、一たび起きれば、大きい被害となりますが、持ちこたえたとしても度重なる余震で、より一層、被害が大きくなるため、地震などが起こる前に早めの対応が必要です。

 建物の老朽化に反して、樹木は大木化することで、枝が伸びるなど近隣に迷惑をかけることになります。空き家対策特別措置法第2条で、特定空き家等とは、と定義があり、その中で(立木その他土地に定着する物を含む)としています。

10メートルもの大木1本切るのに30万円以上の費用が発生します。枝が電線にかかるなどがありますとクレーンが必要なこともあり、倒れ方にも注意が必要です。

 

③相続人が増えるリスク

何十年も前に亡くなられた祖父母の方の不動産を相続するには、通常10名くらいの方は数次相続人、代襲相続人に該当して、全員様の実印、印鑑証明書が必要になります。これくらいおられると、売却までかなりの労力が必要です。

 

これら多くのリスクの解決のためには、まず、相続登記をしたうえで、解決に取り組んでいく必要があります。

この点で、物件売却が決まってから、相続登記をして、決済をするというのは、よくありましたが、相続人が多数おられるような場合には、先に登記を済ませないと、相続人間で代償金の支払いをするのかどうか確定させて遺産分割協議書に記載して、相続人全員で話がまとまっていないと、相続登記を申請できないため、決済期限に間に合わないということにもなりかねません。多数の相続人がおられる場合に、法定相続で登記をしますと、相続人全員での共有名義となりますので、当然、売却が困難となります。そのため、代償金を払うなども取り決めて登記名義は、単独にして速やかに相続登記を済ませておく必要があります。

当事務所では、ご依頼頂けましたら、相続登記だけでなく、空き家問題解決にも尽力しており、売却時の税務上の注意点などもご説明しています。

空き家でお困りがありましたら、当事務所にご相談下さい

 

 

 

 

 

 

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